トレーニング

三大栄養素を筋トレに活かすための基礎知識

三大栄養素

前回の記事は、エネルギー必要量の推定と食事の調整法について記しましたが、今回は三大栄養素(タンパク質・炭水化物・脂質)についてです。

食事摂取量とエネルギー必要量を把握したら、今度は栄養素への理解も深めて、栄養戦略の精度を高めていきましょう。

それではいきます!

タンパク質

たんぱく質

タンパク質=プロテインです。

肉、魚、卵、乳製品、豆類に豊富に含まれています。

最近じゃ、コンビニでもプロテインドリンクが売ってます。時代は変わりましたね~。

ではくわしく見ていきます。

 

どんな栄養素?

ボディビルダー、ウエイトリフター、パワーリフターは当然のこと、あらゆる競技・スポーツのアスリート、トレーニング愛好家が最も関心を示す栄養素です。

血液や爪、筋肉、内臓、髪、皮膚、骨などの身体そのものを作ったり、免疫抗体やホルモン、ヘモグロビンなど様々な形で存在しています。

ヒトにとって、とても大切な栄養素です。

ちなみにタンパク質はアミノ酸が繋がることで形成されます。

アミノ酸は500種類ほど存在しますが、このうち決まった20種類でしかタンパク質を形成できません。

摂り方のコツ

身体の構成成分の合成や再合成が本来の役割のため、極力エネルギー源として使われないようにすることが大切です。(1gあたり4kcal)

そのためには直接のエネルギー源となる炭水化物を必要最低限摂取して、消費カロリーよりも摂取カロリーを高くキープします。こうすることでエネルギー源としてタンパク質は消費されなくなります。

減量時の注意点

減量時はエネルギー源の摂取を抑えますので、摂取カロリーが減ります。

このとき食事で摂取したタンパク質がいつもの量のままだと、そのほとんどがエネルギー源として変換されて使用されてしまいます。

さらにエネルギーの枯渇が続けば、自らの筋肉や臓器の一部(タンパク質)を分解してしまいます。

栄養戦略を考慮しない減量は、以上のような理由から筋肉を痩せ細らせる結果になりますので、タンパク質摂取量をいつも以上に増やす必要があるわけです。

1日の必要摂取量は?

  • 身体活動レベルの低い人

体重1kgあたり0.8g

  • トレーニング愛好家・アスリート

体重1kgあたり1.2~2.0g

  • 減量中の人

体重1kgあたり1.2~2.0g

過剰摂取に注意する人

  • 肝機能・腎機能に障害がある人

健康診断等で肝機能や腎機能に問題があると判明している方は、医師の確認を取ってから、摂取するかどうかを判断しましょう。

なぜ、肝臓と腎臓がタンパク質代謝と深い関係にあるかについては、下記の赤枠内を参照してください。

肝臓の役割

タンパク質が分解されると最後は小腸でアミノ酸になります。このアミノ酸を集めて、身体を構成するアミノ酸に変換したり、タンパク質の一部の種類が分解過程で生じる窒素成分が腸内でアンモニア(身体にとって有毒)になり、これを尿素へと変換して無害化します。アンモニアが身体に溜まると肝性脳症になります。

腎臓の役割

尿素を排泄します。この尿素は腎臓しか排泄できません。炭水化物や脂質はエネルギー源で窒素を含みませんので、汗や呼吸で排泄できます。タンパク質は唯一窒素が含まれますので、呼気や汗だけで排泄できないのです。尿素が身体に溜まると尿毒症になります。

  • カルシウム摂取不足の人、骨粗鬆症の人

タンパク質を摂取すると一時的に血液が酸性へと傾きます、これを弱アルカリ性に戻し、酸塩基平衡を保つのがカルシウムです。

  • 水分摂取制限のある人

尿素の排泄に大量の水分を必要とします。タンパク質を過剰摂取すれば、尿素が増えますので、水分の摂取も増やさなければなりません。

炭水化物

炭水化物

お次に炭水化物=カーボハイドレートです。

ごはんや麺類、パンなどですね。

それでは見ていきましょう。

どんな栄養素?

身体の主要なエネルギー源(1gあたり4kcal)です。

炭水化物は【糖質】と【食物繊維】でできています。

ご飯やイモにふくまれる【デンプン】も炭水化物の一種です。

デンプンを加水分解したマルトデキストリンなんかはトレーニングしている人はご存知かと思います。

これらは消化・吸収の過程でブドウ糖になり、血液にのって全身へ運ばれます。

特に脳にとっては唯一のエネルギー源なので、とても大切な栄養素です。

摂り方のコツ

タンパク質や脂質と違い、すぐにエネルギーになるので活力が増します。

但し、あまり体にストック(肝臓や筋肉に貯蔵)できないので、一度に大量に摂取すると余った分は中性脂肪に変換されてしまいます。

ドカ食いをせずに、食事回数を増やし、無駄な体脂肪を増やさない為にも必要最低限摂取するのが大切です。

炭水化物は元々大量に摂取する必要のない栄養素ということを念頭におきましょう。

1日の必要摂取量

  • 1日に90分以上の有酸素性持久力トレーニングをする人

体重1kgあたり7~10g

  • ウエイトトレーニング・スプリント・技術トレーニングの無酸素運動メインの人

体重1kgあたり5~6g

  • 身体活動レベルの低い人・減量中の人

体重1kgあたり2~4g

注意点

減量時は炭水化物の摂取量を減らしますが、炭水化物の枯渇が続くとケトン体が増えます。この状態をケトーシスといいます。

【ケトン体】は脂肪を分解変換させたエネルギー源なので、程よくケトン体を使うことは体脂肪の減少に大切です。

ということで身体の機能が正常な方にとってはケトーシスは有害ではありません。

ただし糖尿病の方は、インスリン(血糖から細胞に糖を取り込むホルモン)が働かないために、細胞に糖質を取り込めませんので、常に細胞が糖質不足の信号を出し続けます。

すると、タンパク質を糖に変えたり(糖新生)、同時に体脂肪をケトン体に変換していくので、糖やケトン体が血液中に溢れます。

インスリンが働かないので、これらは使われることもありませんからどんどん増えてしまいます。

ケトン体は酸性なので、ケトン体の増加した身体は酸性へと傾いていきます。この状態をケトアシドーシスといい、身体にとってかなり危険な状態になります。

ちなみに、血糖値もただでさえ高い状態なのにさらに高まってしまいます。

身体は糖であふれ返ったベタベタの血を薄める為に、細胞から水をどんどん引き込むため喉も乾きますし、尿量も増えます。

スポンサーリンク

脂質

脂質

皆に忌み嫌われる(笑)、脂質=ファットです。

でも美味しいです……。

とんかつ、フライドポテト、メンチカツなどの揚げ物、バターやマヨネーズなどの調味料がその代表格です。

ファットは嫌いだけど、食べるには、みなさん大好きなメニューばかりです。

そこがこの栄養素のやっかいなところでもあります(泣)

それでは見ていきましょう。

どんな栄養素?

脂質は1gあたり9kcalで、3大栄養素のなかで1番高エネルギーです。

体脂肪の元でもあるので、世間では嫌われています。バター、マーガリン、サラダ油、ごま油など固形や液状の形で存在しています。

脂質もタンパク質と同じで、その種類に中に、身体の中で作ることのできない必須脂肪酸(ごま油、卵、青魚など)がありますので、食事から積極的に摂らなければなりません。

この必須脂肪酸は、同じ脂質の仲間であるコレステロールとともに、細胞膜やホルモンの一部になります。

特にウエイトトレーニングで刺激を受けた筋肉が、更に強い筋肉になるのに必要な男性ホルモン(テストステロン)は、この必須脂肪酸やコレステロールからできています。

不足すると身体の成長が止まったり、皮膚がかさついたりします。

ビタミンA・D・E・K(脂溶性ビタミン)の吸収の手助けもします。適量摂取することが大切です。

摂り方のコツと必要量

ヒトの身体にとって、食事からたくさんの脂質を摂取する必要はあまりないです。

とはいっても、前述のとおり、過度に制限をすると問題があるので、全体エネルギー摂取量の20~25%くらいを摂取すると良いです。

例えば……

体重70kgの男性で身体活動レベルの低い人の1日あたりのカロリー必要量は?

70kg×38kcal=2660kcal

計算式に関しては前回記事参照

となります。

総エネルギー量の20%なので……

2660kcal×0.2=532kcal

となり、

脂質は1gあたり9kcalなので……

532kcal÷9kcal=59g

となります。

このように必要量を計算したら、もともとの食材(肉、魚、卵など)に含まれる脂質のことを考慮して、必要量の25パーセントくらいの摂取に抑えると良いです。ここでいう摂取とは調理方法(炒め物、揚げ物など)の選択や、トーストなどにバターを添加することなど、あとから食材に加える油の量をいいます。

59g×0.25=15g

このように70kgの身体活動レベルの低い男性は15gだけ脂質類を使って、食事を楽しみましょう!

注意点

過剰摂取は高血圧、肥満、脂質異常症(高脂血症)、動脈硬化、虚血性心疾患などを患いやすいです。

すでにこれらの疾患の危険性のある人は20%を超えないようにすると良いでしょう。

我が国日本では、食の欧米化により、30%を超える人が増えています。

さいごに

3大栄養素について記事にしてみましたが、なんとなく食事をしてトレーニングするのではなく、それぞれの栄養素の特徴を理解して、効率よく身体を作るのに参考にしていただけれと思います。

次回はビタミンとミネラルについてです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

スポンサーリンク

ABOUT ME
相馬達也
相馬達也
「ウエイトトレーニングと鍼灸マッサージで日本を元気に!」を天に与えられた使命として日々試行錯誤しているパーソナルトレーナーです。1児の父でもあります。身体のことならお任せください。
RELATED POST