トレーニング

子供の運動・筋力トレーニングの基礎知識

子供

今回は子供たちの運動・筋力トレーニングについてです。

昔に比べ、子供の生活環境は大きく変化しています。

自然が手の届くところにあった時代、子供たちは木に登ったり、裸足で田んぼや野原を駆け回ったり、小川に入ってザリガニを捕ったり、森や林の中を探検したりして遊んでいました。(私もそうでした。)

自然の中で走り回ったり 飛び跳ねたりすることで、まんべんなく脳神経系と筋肉に刺激を入れ、遊びの中で鍛えることが出来ていたのですが……

近年、特に都市部では整備された公園や屋内施設でしか子供が安全に遊べる場所がありません。治安の悪化もあり、子供だけで探検に出ることも不可能でしょう。

このような環境変化で、現代の子供にとっての身体作りはどうすべきかをパーソナルトレーナーとして考えてみたいと思います。

子供の運動能力を伸ばすには?

「子供にスポーツで活躍してほしい!」

「運動能力を伸ばしてあげたい!!」

このように考える親御さんは多いのではないでしょうか?

スポーツや体育の授業なんかで活躍するためには、やはり幼少期の運動が大切になってきます。

運動を行うことに関する脳神経系統を運動神経系といいます。ここに電気信号をよく通してあげることが大切です。

「電気信号??」

身体を動かす際、脳から指令が出て、抹消の運動神経に伝わって身体が動きますが、このときの連絡に使われるのが電気なんです。

これら運動神経系は、5歳~小学校低学年くらいに著しく発達します。

この時期に様々な動きを経験させることが

運動能力を高めるために重要

です。

現代では、幼少期から1~2つのスポーツに絞って習い事をする子供が増えています。

しかし、同じスポーツしかやらないということは、限られた動きしかしない為、神経の発達に偏りが生じてしまいます。

野球をする子供

得意な動きと苦手な動きが極端になり、万能な運動能力は手に入りません。

かといって、4つも5つも習い事をするのは時間的にも金銭的にも無理があります。

ではどうしたらいいのか。

運動能力を引き出す答えは、とても簡単でリーズナブルです。

外で自由に遊ばせればいいのです。しかもたくさんです!!

いろんな道具を使って、いろんな動きをする。楽しみながら身体を動かす。

ブランコで遊ぶ子供たち 自転車の乗る練習をする子供

運動能力がよくなると言われている 次の36個の動作、この全てを満遍なく遊びの中に取りいれてみて下さい。

立つ、垂直に跳ぶ、組む、渡る、乗る、はう、持つ、回る、浮く、走る、滑る、登る、泳ぐ、歩く、押す、漕ぐ、渡す、運ぶ、掘る、振る、打つ、積む、引く、起きる、くぐる、蹴る、つかむ、投げる、当てる、支える、逆立ち、押さえる、水平に跳ぶ、ぶら下がる、取る、倒す

神経系の発達する幼少期に、どれだけ多くの動きを経験するか、これが大事なんです!

この時代にヒトの親になった親御さんは、運動する機会の減った現代の子供と一緒に、めいっぱい身体を使って遊べる場所へ連れて行ってあげて遊んであげましょう!!

これはある意味現代の親の宿命かなと感じています。運動不足の親御さんにとっても一石二鳥ですしね!!

子供の筋トレはどうなの??

激変してしまった生活環境により、多くの子供が人としてのバランスの取れた運動機能を習得できなくなっていることは先ほどの項目でもお伝えした通り。

これにより、肥満児も増加傾向にあり、子供の動脈硬化など小児成人病が問題になっているそうです。

一方で、サッカーや野球、水泳などのスポーツに熱心に取り組む子供も増えています。

運動をする子としない子の二極化が昔よりも進んでいます。

どちらにしても、現代の運動しない子は、いつもソファでゲームばかりとか、ガリ勉君(勉強が悪いということではない)であれば、ずっと机に向かって同じ姿勢を繰り返し取り続けるなどがあります。

現代の運動を良くする子は先ほども述べたとおり、決まった競技スポーツに打ち込むことが多く、そのスポーツ固有の偏った動作を繰り返すため、同じ部位ばかりに負担を掛けることが多くなりバランスよく鍛えることは出来ません。

これによりやがて怪我や痛み、障害を発生する可能性があります。

ゲームばかりする子供

これらを予防するには、日常生活やスポーツと並行して、ストレングス(筋力)トレーニングを実践することです。

子供に合わせた正しいフォーム、正しい強度で行うことで、運動機能の成長を促し、必要な場所に筋肉をつけて、障害や怪我を予防することができます。

スポンサーリンク

子供の筋トレの開始時期とその効果は??

子供の筋トレの開始時期について、ストレングストレーニング科学を研究している米国NSCAの規定では……

前青年期(第2次性徴期の前の時期)で、

男子は6~13歳

女子は6~11歳

です。

以前は、筋トレが子供たちの骨端軟骨にダメージを与えたり、身長の伸びを妨げる可能性があると考えられていましたが、ここ10年で急速に研究が進み、子供に筋トレをさせる方が、公衆衛生の面からも推奨されるようになりました。

医療機関やフィットネス専門機関でも子供に筋トレを指導することが当たり前になりつつあります。

ただしこれらには注意が必要です。

あくまでも、正しい知識と指導スキルをもった大人の監督下で行う事が大切です。

これらの研究は、適切な監督下で行われている結果なので、子供主体でやらせてはいけません。

毎回、器具の使い方から、トレーニングフォームなどを徹底的に教え込まなけれなならないということです。これができて初めて、骨端軟骨の損傷や身長の伸びに対する阻害を防げます。

以上の基本をしっかりと押さえた筋トレをすることで期待できる効果は……

  • 筋力の向上と骨組織の強化
  • スポーツ外傷・障害の予防

です。

なお、子供たちは、性ホルモンが少ないため、筋肥大は起きにくいとされていますが、前述の運動神経系には強い刺激が入りますので、筋力自体はかなり上がってくるようです。わかりやすくいいかえると、「筋肉は太く大きくならないが、今ある筋肉を使ってたくさんの力が出しやすくなる。」といった感じです。

ベースの筋力が上がれば、様々な動きを器用にこなすことができるようになるため、子供のメンタルにも大きな影響を与えます。子供自身に自信がついて自己評価が上がります。これって子供時代は大切な要素ですよね?

子供の筋トレのガイドライン

まずは、トレーニングを受けるにあたって、子供側にも精神的なある程度の成熟が必要です。

最低でも筋トレには危険な部分もあるということを理解できなければ、参加せるべきではないと思います。

上記の条件をクリアしてはじめて、子供に実際の筋トレの具体的なメニューを組みます。

米国NSCAのガイドラインは……

  • できれば有資格者(CSCSかNSCA-CPT)が指導する。
  • トレーニング環境の安全性を徹底的に確保する。
  • 動的なウォームアップを5分くらい行う(ラジオ体操的なもの)。
  • 全面性の原則に従い、上半身、下半身、体幹などを鍛えられる様々な種目を使う。
  • 漸進性の原則に従い、段階的に負荷を上げる(上げても前重量の5%以下)。
  • 週2~3回トレーニングする。但し連続して行わない。
  • クールダウンにスタティックストレッチを行う。
  • 飽きさせないように種目のバリエーションを成人のトレーニング以上に増やす。
  • 1セット最低6回以上、多くても15回くらいでトレーニングする。ちなみにRM(最大反復努力回数)ではない。

これらを順守した上で、

  • 上手にできたことは誉める。
  • 大人とのモチベーションの違いを理解する(低いことが多い)。
  • 他の子供と比較しない。
  • 楽しさを最優先
  • 成功体験やスキル向上を目指す。
  • 新しいスキル習得や、身体を鍛えることについては時間がかかるものだと言い聞かせる。
  • 水分補給の重要性を教える。
大人と一緒に運動する子供

一見、成人の筋トレに近いような感じですが、メンタル的な部分にも成人の筋トレ以上に意識を置くことが大切です。

さいごに

最大の目的は、身体活動を現代の子供たちの生活習慣の一部にしてあげることです。

指導する親御さん、専門家は子供たちの身体能力の個性を尊重し、子供たちの自己効力感や自信を高められれば、その子供たちが成人になった時に、様々な場面でおおいに役立つはずです。

子供のうちは、成功体験を重ねてあげて、肯定的な雰囲気を作り、決して失敗を誘発するような緊張を強いられる競争的な雰囲気を作らないことが大切です。

ここまで気を使わなければならない現代の大人たちも大変な立場ですが、将来の日本国を支える宝だと思って、子供たちを大切に育てていきましょう!!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

スポンサーリンク

ABOUT ME
相馬達也
相馬達也
「ウエイトトレーニングと鍼灸マッサージで日本を元気に!」を天に与えられた使命として日々試行錯誤しているパーソナルトレーナーです。1児の父でもあります。身体のことならお任せください。
RELATED POST