この記事では減量について解説します。
筋トレと並行して減量することも多いですね。
ということで減量の際の原則や注意点などを記事にしてみます。
目次
減量の対象者は?
減量しなければならない人には4つのタイプがあります。それぞれみてきましょう。
体重過多タイプ
体格指数(BMI)が25を超える過体重の方
肥満タイプ
体格指数(BMI)が30を超える肥満の方
適正体重&高体脂肪率タイプ
適正体重であっても、身体を構成する組織の割合が脂肪に偏っている方
ウエスト周囲径過多タイプ
男性で85cm以上、女性で90cm以上のウエスト周囲径の方
それぞれのタイプの信ぴょう性について
BMI(体格指数)は身長と体重だけに注目するので、運動愛好家などの筋量の多い人(体脂肪が多いという判定になってしまう)や、逆に高齢で筋量が減った人(体脂肪が少ないという判定になってしまう)にとってあまりあてにならないといわれています。
骨量や筋量は個人差も大きく、最近ではBMIの信ぴょう性が疑われています。よって、特に上述の肥満タイプや体重過多タイプはあまり正確ではありません。
もっともこの中で正確なのは、ウエストのサイズで測るウエスト周囲径過多タイプになります。
ウエスト周辺は体脂肪が蓄積しやすいためです。
BMI(体格指数)
体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))で計算
減量に対する影響因子
まず減量を行う上で、大前提の因子についてです。
遺伝的因子
体脂肪を最小限に減らしたとしても、それを維持する能力は、ある程度遺伝の影響を受けます。
好きなだけ脂っこいもの、甘いものを食べても、ほとんど太らない人もいれば、少し食生活が乱れただけで、あっという間に増えてしまう人がいますので、自分の遺伝子タイプの特徴を知り、減量中も減量後も意識する必要があります。
肥満遺伝子というものが実際に存在しますので、ここで紹介した後者のようなタイプはこの肥満遺伝子を持っていますから、すぐに体重が増える人は要注意です。
ちなみに減量に対する遺伝的影響は30%とそれなりに大きく占めます。
環境的因子・社会的因子
科学技術、産業の発達により、日常生活がオートメーション化しているといわれています。これにより、過酷な身体活動をする機会が大幅に減ってきています。
こういった産業の発達のおかげで、食物も豊富になったので、栄養も容易に摂れてしまいます。
世の中が便利になったことは素晴らしいことですが、同時に現代ならではのデメリットも生んでしまったわけです。社会構造も複雑になり、食行動自体が乱れてきやすく、肥満、高脂血症、糖尿病を患う人を大幅に増加させてしまいました。
こういった環境因子・社会因子の減量に対する影響は70%と大きく、ここをしっかり意識できれば、遺伝的影響を乗り越えて、減量戦略はほぼ成功できるといえます。
減量の原則
- ただ体重を落とすのではなく、筋肉をできるだけ落とさず、欲を言えば、筋量を増やして体脂肪を減らすこと。
筋量を増やすと同時に体脂肪を減らすことができるかは、トレーニングプログラムと栄養摂取によって決まります。
特にトレーニング経験のない人は、カロリー制限とトレーニングの併用により、体脂肪の減少と筋肉量の増加が同時に起こる可能性があります。
トレーニングを積み、すでに体脂肪の低い人は除脂肪体重を減らさずに体脂肪を落とすことは難しいと言われています。
- 摂取カロリーよりも消費カロリーを増やすこと。
NSCAの規定では、週平均で1~2ポンド(0.45~0.9kg)の減量は、1日におよそ500~1000kcalを減らすことを意味し、これは食事制限とトレーニングの併用によって実現できるとあります。
トレーニングを併用することで消費カロリーを稼ぐことができます。
上記の数字は全ての人に当てはまることはなく、体重によって変わります。1週間の減量幅は……
例えば、体重50kgの人で0.5kg(約1ポンド)、150kgの巨体なら1.5kg(約3ポンド)と、体重によって大きく変わります。
このペース超えて減量すると、食事制限がかなり厳しくなるので、必要な水分、ビタミン、ミネラルの不足が起きやすく、カロリー量もガクっと減ってしまうことで、足りないエネルギーを糖新生で補うために、筋量をどんどん減らしていってしまいます。(筋量を維持するには炭水化物とタンパク質が必要です。)
減量中において筋量を維持するためには、タンパク質摂取量は逆に増やしましょう。(体重1kgにつき1.2~2.0g)
糖新生とは?
血中のブドウ糖が低下しているときに、肝臓で糖を作り出すこと。体脂肪も積極的に糖に変換され、最終的に筋肉に貯蔵されているグリコーゲンや、筋肉そのものを分解して糖を作る過程全体のこと。
- エネルギー密度の低い食品を多用する
エネルギー密度は、食品の重量・体積に対するカロリー量を表します。
一般的にこれらに該当する食品は水と食物繊維の割合が高く、カロリーが低いので、大量に食べれることで満足感が得やすいです。
野菜類や果実に多く存在します。栄養(ビタミン・ミネラル)も豊富なので、減量中にはもってこいの食材です。しかし、これらをメインにするのではなく、あくまでも必要タンパク質摂取量を満たしたうえで、これらの食材をつかいカロリー計算することが大切です。
いろいろな情報に惑わされない
高タンパク低脂肪食、低炭水化物食、スペシャルドリンク、減量サポート食品、脂肪燃焼サプリ、夜は食べない、1日6食ダイエット、1日1食ダイエット、ファスティングダイエットなど様々な方法論が存在します。
もちろんどれも減量方法として理に適っていますが、これらは成功できた人とできなかった人を生んでしまっている現実があり、減量戦略を複雑にしてしまっている大きな原因になっています。
これらの方法論や情報を鵜呑みにする前に、まず何よりもカロリーバランスをマイナス収支にしましょう。
これらの情報にに振り回されている人ほど結果が出ない人が多いです。
カロリーのマイナス収支を意識しないと体重は絶対に減りません。
カロリーを減らすときには、原則でもお伝えしたペースを守った範囲内で実践してください。
さいごに
増量戦略と同じで、ペースを守って必要な栄養を満たしたうえで、カロリー収支を意識することが大切です。
世の中次々と新しい減量食や方法がたくさん出てきますが、そのほとんどが特定の栄養素が欠如していたり、逆に偏り過ぎていたり、カロリーが低すぎたり、はたまた運動はしなくてよいというものまで、明らかに科学に反したものが多いです。
サプリメントも、減量系のものは興奮作用のある成分が入っていたりするので、高血圧や心臓血管系の疾患、その他の疾患も含め禁忌の場合もあります。安易に飛びつくのは危険だと思います。
生理学にしっかり則った正しい方法で、体重コントロールを行い、安全に健康的に理想の身体を目指しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。