トレーニング

筋トレに活かすカフェインの活用方法とは?

今回は「カフェイン」についての記事です。

カフェインといえば、コーヒー、紅茶、ソフトドリンク、チョコレートなどの身近な食品にも含まれていますし、薬物にも使われています。それくらい我々の生活に密接にかかわるカフェインですが……

カフェインに対する抱くイメージは、「眠気覚まし?」くらいしか思い浮かびませんよね?

しかし、その他にも実に有効な効果がたくさんあるんです。そのあたりを運動やトレーニングに関連付けてみていきましょう。

目次

カフェインとは?

冒頭でも記しましたが、世界で最も使われている薬物のひとつで、コーヒーをはじめとする飲料や様々な薬品にも使われます。

その大きな作用は、中枢神経系の興奮です。

覚せい剤の「アンフェタミン」の作用に似ているといわれますが、その作用は覚せい剤(アンフェタミン)に比べると当然ですが、かなり弱いです。

カフェイン

古くから、様々なパフォーマンスを高める目的で使われてきました。

仕事前に気付けにコーヒーとかを飲むとシャキッとしますし、午後の眠気防止予防にお茶を飲んだりと、自然に摂取してますよね。

トレーニングにおけるカフェインの効果・効能

トレーニングで使用する場合は、トレーニング前に摂取します。

効果は、脂肪酸化(燃焼)、疲労軽減、集中力・注意力の向上です。

脂肪酸化(燃焼)効果

運動やトレーニングをする際に、最初に使われるエネルギー源は基本的にはグリコーゲンです。

しかし、カフェインを摂取してからトレーニングを行うと、脂肪組織や筋肉の中にある貯蔵脂肪から脂肪酸が遊離します。

カフェインのおかげで、すい臓をはじめとする消化器官から出るリパーゼという脂肪分解酵素の分泌がよくなることが原因です。

その結果、血液に遊離脂肪酸がたくさんあふれます。

遊離脂肪酸は酸化しやすくダイレクトにエネルギーとして使われます。

これにより、体脂肪を効果的に減らすことが可能です。

ここでもうお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、酸化というキーワードが出てきていますから、ただ単には燃えません。

ポイントは酸素です。酸素を介することでよく燃えるということです。

いいかえると、酸素を介した運動である有酸素運動では特にカフェインの効果が大きいということです。

だからといって筋トレ(無酸素運動)でカフェインの脂肪燃焼効果が全くないかというとそうではありません。

たとえば、スクワットを6~10回しかできないような高い負荷量で動いたあとって、「はあはあ……」と息が切れますよね?インターバル中に疲労困憊でベンチに座ってうなだれている時です。

そのときはエネルギーを回復(疲労回復)しようとして有酸素代謝になっています。

「ぜえぜえはあはあ」と必死に酸素を吸いますよね?そのときにカフェインが作用した血液中の遊離脂肪酸をガンガン燃やしています。

有酸素運動でも無酸素運動でもカフェインの脂肪酸化(燃焼効果)は高いので、特に……

減量やボディメイクを意識したトレーニング

では有効なので是非利用しましょう。

疲労軽減

前述の脂肪酸化(燃焼)とも深く関わることですが、優先的に酸化過程で脂肪が使われるので、グリコーゲンを温存できます。これにより疲労を感じるのが遅くなります。

有酸素系パフォーマンスに対するカフェインの研究では、最大酸素摂取量の80%の強度での自転車こぎをした場合、疲労困憊までに達する時間が、カフェイン無しの群よりもカフェイン摂取群が21分間も伸びたそうです。

21分も動けるんです!!余分に!!

追加研究でも同じような結果が出ています。

無酸素系パフォーマンスにおいては、有酸素系ほどではありませんが、こちらも確実に効果があります。

研究結果も有酸素系に比べると少ないですが、スプリントの水泳選手(短距離選手)に100mスプリントを繰り返したときのタイムが平均で3%向上したことが示されています。追加試験においても、6秒間の連続スプリント、いわゆるハイパワー(ATP-CP系)のパフォーマンスでも同様の向上がみられたそうです。

ウエイトトレーニングにわかりやすく例えると6回しかできなかった重さがカフェインを摂取することで8回できるかもしれないということです。

ウエイトトレーニング

この結果も、運動・トレーニングするにあたってカフェインを摂取する大きな理由となるでしょう。

集中力・注意力の向上

カフェインには、中枢神経(脳と脊髄)を興奮させる作用があります。

やる気

中枢には網様体賦活系(もうようたいふかつけい)というのがあり、この部分は……

意識

覚醒

注意

に関わります。

どれも運動やトレーニングに必要な要素ですよね。

網様体賦活系の活性化で、筋肉へ神経伝達が研ぎ澄まされるので、筋が興奮しやすく、強い収縮力を産むといわれています。わかりやすくいうと筋力がゾーン状態に入って、普段より力が出るということです。

さらに注意力も上がりますので、正しいフォームを意識して細心の注意を払いながら運動・トレーニングができます。これによりケガの防止にもつながります。

ここまでまとめてみて改めて感じます。

「運動やトレーニングをするにあたってカフェインを摂らないなんてもったいないですね、ほんと!」

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カフェインの摂取方法と有害作用

次にカフェインの摂取方法と有害作用をみてみましょう。

コーヒー豆

摂取方法

  • 運動・トレーニングを行う30分前に摂取
  • 体重1kgあたり3~9mgまで
  • コーヒーなど飲料より無水カフェインの方が効果が高い(飲料に含まれるその他の物質がカフェインの活性を弱めてしまうため)

有害作用

摂取量が体重1kgあたり9mgを超えてくると、副作用が出やすいといわれています。

その主な症状は……

  • 不安感
  • 胃腸障害
  • 落ち着きがなくなる
  • 不眠
  • 振戦(ふるえ)
  • 不整脈
  • 頻尿(利尿作用)

です。

また、依存性もあるために、摂取を止めた時に離脱症状が出ることがあります。普段の摂りすぎには注意しましょう。

離脱症状とは

依存性のある薬物の反復使用を中止したときに起こる症状のこと。ニコチン、アルコール、カフェイン、ステロイド、麻薬などがある。頭痛、集中力低下、皮膚が荒れるなど。

重症だと「身体中に虫が這う感覚」とか「骨が飛び散るように痛い」などがある。

さいごに

カフェインは、【運動やトレーニングに対して効果がかなり高い】ということです。

しかし、それと同時に依存性の高い薬物なので、常用するのではなく……

「なんか今日はやる気がでないな~」

「現状を打破して、スポーツやトレーニングで結果を出したい」

そんなとき限定で使うと、身体に負担を掛けずに安全に効果を出せると思います。

どんなサプリや薬物にもいえますが、結果を求めすぎるあまり、身体を壊すような使い方をしては本末転倒です。

正しく用法や用量を守ってお使いください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

《参考文献》

金久博昭・岡田純一 第3版 NSCA決定版 ストレングストレーニング&コンディショニング ブックハウスHD 2010年

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ABOUT ME
パーソナルトレーナー
相馬達也
「ウエイトトレーニングと鍼灸マッサージで日本を元気に!」を天に与えられた使命として日々試行錯誤しているパーソナルトレーナーです。1児の父でもあります。身体のことならお任せください。
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