トレーニング

筋トレの成果を高める必須アミノ酸について徹底解説!!

この記事は必須アミノ酸についてです。

必須アミノ酸は体内で生成されない為、食事から摂取しなければなりません。

筋タンパク合成にも大きく関わるので、運動・トレーニングと関係の深い栄養素でもあります。

市販のスポーツドリンクなんかには、アミノ酸を含むものが多くなりました(以前は電解質と糖分だけのスポーツドリンクが定番)。サプリメントも豊富です。

そんな必須アミノ酸を考察してみましょう!

目次

そもそもアミノ酸とは

ヒトの身体はすべてタンパク質でできています。

筋肉はもちろん、爪や髪など全てです。

このタンパク質を構成しているのがアミノ酸です。

その種類には、必須アミノ酸非必須アミノ酸があります。

前者は冒頭で述べたとおり、身体で合成できない為に食事から摂取する必要のあるアミノ酸、後者は身体の中で自らが作り出せるアミノ酸です。

但し、後者の非必須アミノ酸は必須アミノ酸が原料ですから、必須アミノ酸の摂取は非必須アミノ酸の合成のためにも、とても重要です。

非必須アミノ酸

アスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、セリン、チロシン、システイン、プロリン

そして、この両タイプのアミノ酸、その数は???

  • 必須アミノ酸は9種類
  • 非必須アミノ酸は11種類

です。

「なんとなくアミノ酸って漠然と摂取してたけど、こんなにも種類があるのね……」て感じですよね。

ということで、アミノ酸には様々な種類があって、タンパク質を形作っていることが、ここまでの文章でご理解いただけたかと思いますが、

ここで疑問に感じることは……

プロテイン

プロテインと何が違うのか?

プロテインもタンパク質でしたよね?プロテインの記事でも紹介しました。

プロテイン
筋トレ最重要サプリ【プロテイン】種類・効果的使用法・オススメ商品を紹介スポーツやトレーニングに特化したサプリメント(栄養補助食品)はたくさんの種類があります。 サプリメントで身近なところといえば、「プ...

プロテインもアミノ酸もどちらもトレーニングには欠かせない栄養素ですが、じゃあどう違うの?どう使い分けるの?その辺をふまえて、次の項でご説明します。

プロテインとアミノ酸の違いについて

トレーニングをバリバリこなされている方には、何をいまさら感がありますが……

プロテインはアミノ酸をたくさんつなげたもの

であるということ。

これを念頭に置いてください。

そこをふまえて、次の絵をご覧ください。プロテインとアミノ酸の関係

汚い絵で申し訳ございません(笑)

タンパク質=プロテインはアミノ酸がつながったものというイメージができたでしょうか?ペプチドはその中間ですね。

タンパク質=プロテインは体内に入ると、消化の過程を経て、アミノ酸やペプチドに分解されて身体へ吸収します。

ここまでで、疑問がまた一つ……

プロテインを飲んだり、食事でお肉やお魚を摂れば、わざわざアミノ酸を摂取する必要なくない??

と思いますよね。

プロテインは絵をみていただくとわかるとおり、アミノ酸やペプチドに分解する必要があるので、すぐ使える状態ではありません。胃腸が頑張って分解しなければいけません。

胃腸に負担が掛かりますし、血中のアミノ酸レベルが落ちていてすぐに回復したい時などに、アミノ酸の方が効率がいいのです。

例えば、

  • 起床後
  • トレーニング前・中・後
  • 胃腸の調子が良くないとき

こんなときに「アミノ酸」単体のサプリがプロテインや食事からのタンパク質摂取よりも向いているといえます。

なぜなら、これらの局面において最も重視されるのが、すばやい血中アミノ酸濃度の回復だからです。

となるとやはり上記のような血中アミノ酸濃度が下がっている場面はうってつけです。

特にトレーニング後は筋肉に血が集まっているため胃腸の血流が上がってきませんし、起床後も全身の血流が悪いですからね。

吸収しやすく、すぐ使える状態

これこそがアミノ酸の真骨頂というわけです。

スポンサーリンク

必須アミノ酸の種類

必須アミノ酸は別名EAA(Essentials Amino Acids)ともいいます。

非必須アミノ酸の元でもあり、体内で生成されず、食事から摂取しなければならないという原則を理解した上で、具体的にその種類を確認しましょう。

ロイシン・イソロイシン・バリン

これら3つのアミノ酸は分岐鎖アミノ酸と呼ばれます。トレーニングにおいて最も重要なアミノ酸です。

英語で、Branched Chain Amino Acidsといい、頭文字をとってBCAAと呼ばれトレーニング業界で広く浸透しています。

この中でもロイシンは筋組織の修復や合成に大きく関与しています。

ここで注意ポイントです。

ロイシンが筋組織を修復・合成するには必須アミノ酸の全ての種類とタンパク質を合成するための必要量がそろった状態でないと効力を発揮できませんので、ホエイプロテインやEAAなどの9種の必須アミノ酸が全て入っているサプリで摂取することをお勧めします。

ロイシンだけでなくBCAA全体の効能としては、インスリンを出すように膵臓へ働きかけるので、どんどん細胞へ栄養を摂り込んでくれます(分解と逆の反応)。

しかしこのときに必須アミノ酸がすべて必要量そろっていなければ、合成は起きません。

トレーニング後の合成・修復を目的にするなら、必須アミノ酸を全種類をしっかり摂取した上で、これらの効果を発揮させてあげましょう。

食物のたんぱく質を構成するアミノ酸で全ての必須アミノ酸を満たさないものを制限アミノ酸という。

制限アミノ酸の中で最も少ないものが表す数値をアミノ酸スコアと言い、たんぱく質の栄養価の値になる。アミノ酸はよく桶に例えられる(下図参照)。不足しているアミノ酸があると、他の種類のアミノ酸を大量に摂取しても完全なタンパク質を合成できない。

必須アミノ酸

次にBCAA単体摂取での考え方としては、まず筋組織を構成するアミノ酸の3~4割を占めるということを抑えましょう。

BCAA単体で摂取し場合、筋合成や修復の効果は低いですが、エネルギー源として活躍します。

通常、糖や脂質がエネルギー源として使われますが、トレーニングの後半などでヘトヘトになると糖が枯渇、脂肪燃焼が追い付かなくなると、自前の筋肉を分解しBCAAをエネルギー源として使います。

この筋分解を防ぐ意味で、単体摂取は有効です。

血中のBCAA濃度が上がり、筋肉本体からBCAAへと分解されてエネルギー変換されることを防ぐことができます。

是非、トレーニング前やその最中は積極的に摂取していきましょう。

特にトレーニング中においては必須アミノ酸全て(EAA)で摂取するより、最も大切な3つのアミノ酸に絞って摂取するため、吸収が早くなることが大きなメリットです。

また余分に摂取したBCAAは中枢性疲労(脳が感じる疲労)を起こす原因となるトリプトファンというアミノ酸の働きを抑える働きがありますので、常に元気はつらつな状態でトレーニングできます。BCAA単体で摂取するメリットは、こういったネガティブ要素を避けることができます。BCAAは赤身の肉に豊富に含まれます。

トリプトファンは脳内に入ってセロトニンに変わり、中枢性疲労(眠気)を起こすと言われている。

スレオニン

動物性タンパク質からでないと、ほとんど摂取できません。

ということは菜食主義者は不足しがちな栄養素です。

コラーゲンやエラスチンといった伸縮性のある結合組織に使われるので、関節周りの形成に必要なアミノ酸ですね。トレーニングは関節運動ですから、間違いなく大切な栄養素です。

その他には、肝臓が脂肪肝にならないように守ったり、抗酸化作用があったり、コレステロールを燃やしたりと、そのほかの役割も実はけっこう大切です。

フェニルアラニン

神経活動を鋭敏にするアミノ酸です。

アミン系ホルモンであるドーパミン、ノルアドレナリンなど神経伝達物質の原材料なので、記憶力が高まったり、やる気を起こさせたり、精神状態を元気にするアミノ酸といえます。

その他にも、ホルモン合成に関与し、紫外線を吸収してビタミンDを増やしたりなどの効果があります。

ビタミンDの形成には紫外線が必要です

ヒスチジン

神経組織のグリア細胞の修復や保護に必須のアミノ酸です。

グリア細胞というのは神経の本体(細胞)を守ったり、細胞間の連絡で活躍したりと、脳や脊髄などに過度刺激が行かないようにコントロールしています。このグリア細胞達の維持管理に欠かせない栄養素というわけです。

前述のフェニルアラニンとともに神経系統の機能維持に役立ちます。

また慢性関節炎や放射線から身体を守る効果もあります。

リジン

なんといっても脂肪をエネルギーに使ってくれるように促すアミノ酸として有名です。

身体が引き締まってきやすいので、トレーニングとの相性はバッチリです。

それ以外にも身体の発達には欠かせない、細胞の修復、カルシウムの骨吸収や、筋タンパクの合成などに大きく関わります。

メチオニン

こちらも脂肪燃焼効果が有名です。

カルニチンの合成に関わるからです。カルニチンは脂肪代謝に欠かせないアミノ酸です。

さらには、テストステロン(男性ホルモン)濃度も高めます。

トレーニング後はテストステロン濃度を高めて、筋肉を強くしていく必要がある為に、メチオニンを摂取しておけば、効率が良いです。

スポンサーリンク



トリプトファン

睡眠に関わるセロトニン、メラトニンの生成に深く関わります。

睡眠に入る為に大切な栄養素で、脳に疲労を感じさせ、眠気を催させます。不眠症やうつ病の方には大切な栄養素です。

トレーニングをする際は、眠くなっていてはしっかりと身体作りができない為、トレーニング前や最中は摂取すべきではないアミノ酸です。逆にトレーニング後や休養日は積極的摂取して回復を助ける効果があります。

睡眠を安定させることから、うつや老化の改善にも効果があるアミノ酸です。

他にはナイアシンの生成にも関わっていると言われます。

必須アミノ酸をまとめると……

必須アミノ酸(EAA)は、トレーニングの前中後に摂取することで、筋の同化作用を増大させます。

あわせて炭水化物(糖質)を摂取すると、その同化作用はさらに促進します。ポイントは9種全種の摂取ではじめて筋合成できるということです。

ドリンクを作る時には、水分量の5~6%の粉飴(マルトデキストリン)やブドウ糖を必須アミノ酸と混ぜて摂取するのがお勧めです。

さらに可能であれば、BCAAとEAAを使い分けましょう。

吸収が早くて、エネルギー源にもなるBCAAは……

トレーニング中

少し吸収に時間が掛かるが筋の修復・合成に欠かせないEAAは……

トレーニング前とトレーニング後

 

に使用するのがお勧めです。

さいごに

アミノ酸の使い方・メリット、そしてプロテインとの違いをお伝えしました。

トレーニングは効率が大切です。大多数の方が本業の仕事や本業の競技、学生生活などの合間を縫って行います。

どうせやるなら、短時間で効率よく健康で強い身体を手に入れたいですよね。

ということで、上手にアミノ酸も取り入れて、最大限の効果を出してみてください。いままでプロテインしか使ってなかった(プロテインすら使わない方もたくさんいらっしゃいますが……)という方は是非アミノ酸の導入もお考えください。きっと効果を実感できるはずです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

スポンサーリンク
ABOUT ME
パーソナルトレーナー
相馬達也
「ウエイトトレーニングと鍼灸マッサージで日本を元気に!」を天に与えられた使命として日々試行錯誤しているパーソナルトレーナーです。1児の父でもあります。身体のことならお任せください。
RELATED POST