寝たきりを引き起こすといわれる運動器全般の疾患ロコモについての記事です。
高齢化の波がグイグイ押し寄せる日本にとって大切な課題です。
この記事では、そんなロコモを防ぐために自宅で手軽にできる効果の高い3つの筋トレメニューをお伝えします。
目次
ロコモ予防対策のまえにロコモという言葉の意味
冒頭で軽く触れていますが、ロコモの厳密な意味を知らないといけません。
ロコモに対する現在の認知度は17%程だそうです。
ロコモとはロコモティブ・シンドロームの略称で、運動器症候群ともいいます。
年齢を重ねるにつれて筋肉や関節の機能が低下することをサルコペニアといいます。
ロコモとは、サルコペニアが進行し、将来寝たきりになって、介護が必要になってしまう状態のことを指します。
サルコペニアの進行を食い止め、ロコモを予防することで健康寿命を延ばすことができます。
できるだけ早いうちから筋力トレーニング、そのなかでもできれば負荷や抵抗を用いたウエイトトレーニング、マシントレーニング、チューブトレーニング、徒手抵抗トレーニングなどのレジスタンストレーニングを始め、継続することが大事です!
健康寿命(けんこうじゅみょう、英: Health expectancy, Healthy life expectancy)とは日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間のこと
ロコモ予防対策の最初の一歩は運動器の検査
当方ジムからほど近い、北里大学病院の整形外科では、【ロコモ診断】を受けることができます。
内容は、柔軟性、骨密度、バランス能力(閉眼片足立ち)、脊柱(とくに腰椎)、膝関節など筋肉、関節の機能を調べる検査です。
現状の体力レベルが年齢に対してどれだけ保てているのかを知ることは大切です。
このような専門施設はググると簡単に探すことができます。
最寄で探していただき、是非受けてみて下さい。
『私はまだまだ大丈夫!』
と思っていても、知らず知らずのうちに体力低下が進んでいることがほとんどです。
自分の体力レベルの現状を把握することから始めましょう。
ロコモ予防対策には専門トレーナーの筋トレ指導を受けることが大切
一昔前は……
というのが一般的でした。
アスリートは自身の専門の競技の動きを繰り返し行うため、使う場所と使わない場所の差が大きくなりがちです。
筋バランスが偏り、それが原因でヒトの基礎動作(立ちあがる、しゃがむ、挙げる、押す、引くなど)が上手にできなくなってくることがあります。
こうなると慢性的な痛みを感じたり、ケガをするリスクが高まります。
『スポーツは身体に悪い』といわれる所以です。
このようなケガや慢性痛予防のために、アスリートはウエイトトレーニングを行います。
ウエイトトレーニングで基礎動作を改善することで身体の土台を作ります。
土台がしっかりすることで、補強(さらなる筋力増強)や瞬発力や持久力などの体力要素のパフォーマンスアップトレーニングに安全に移行できます。
上記のトレーニングを繰り返すことで、身体が丈夫になり、競技そのものの技術練習もしっかりと安全に出来るようになります。
一般の方も同じで、
- いつも同じ姿勢での仕事や家事
- 便利になった生活により身体を使う機会そのものが減る
このような状況から、アスリートと同じように筋バランスが偏ってきます。
これを放置していると、五十肩や変形性の関節炎、ぎっくり腰や慢性的腰痛、はたまた自律神経の失調など、様々な不調や症状が出てきます。
実際に、上記のような現代の生活スタイルに起因して、こういった方々が増えてきている現実があります。
このような状態を改善するためにも、一般の方にもウエイトトレーニング(筋トレ)を生活に取り入れてほしいと思います。
しかしながら、一念発起したとして、実際に運動しよう、トレーニングしようと思ってみても、
『やり方がわからない』
『どこを鍛えればいいの?』
など疑問だらけです。
自己流でやってみたものの、フォームがわからず、余計に関節などに負担をかけてしまい、ケガを負ってしまうこともあります。
そこで、是非とも運動指導専門家のパーソナルトレーニングサービスを受けてください。
専門家指導の利点は、身体作りの効率が良く、関節に負荷を掛けない正しいフォームを徹底するので、最短で安全に目標に到達できます。
当方MRGにおいても、一般の方には「ロコモ予防」を目的にストレングス&コンディショニング(以下S&C)というトレーニング科学をもとに指導しています。
S&Cでは、【筋力】を最も重視しています。
すべての体力要素(筋力、柔軟性、瞬発力、スピード、敏捷性、巧緻性、持久性など)の土台
が筋力であると考え、ウエイトトレーニングで筋力をつけていくことをメインに指導する体系になっています。
基礎的な筋力を効率よく高めると、付随するその他の体力要素(柔軟性、瞬発力、スピード、敏捷性、巧緻性、持久性など)も効率よく向上させていくことが可能です。
逆に言えば、筋力を高めずに、いきなりスピードトレーニング、ストレッチング(柔軟性)などの他の体力要素向上プログラムを組んでも、なかなかレベルアップできないのです。
効率が悪いばかりでなくケガをしてしまう可能性も高まります。
ということで……
まずは筋力を高めること
筋力アップさえできていれば、あとはなんとでもなるといっても過言ではないということなんです。
自宅で出来る簡単ロコモ予防対策トレーニング
筋トレを始める時は、最初にプロに習うと安全で効率も良くオススメであると前述しました。
しかし、それでも敷居が高いという方に比較的安全で効果が高く、自宅でも取り組めるトレーニングを紹介します。
加齢で弱まりやすい部位に刺激が入るトレーニング種目を3種です。
ボックス・スクワット
画像引用:自重筋力トレーニングアナトミィ ガイアブックス
イスがターゲットなので、万が一バランスを崩しても安全にスクワットができます。
またイスがあることで、お尻を落とす動作が自然にできるので股関節をしっかり使うことができ、膝を伸ばす動作も加わるので下半身全体に大きな刺激が入るトレーニングです。
ポイントは……
- 足を肩幅より広くして立つ
- お尻をゆっくり下ろすように座る
- 脛を垂直にして、膝と爪先をやや外に向ける
- イスに座ったら、一呼吸おいてお尻を絞り切る意識で立つ
お尻や腿といった加齢で弱りやすい筋肉をまとめて鍛えることができます。
10~20回を2セット、休憩は1分くらいを目安にトレーニングしてみましょう。
ヒップ・リフト
画像引用:自重筋力トレーニングアナトミィ ガイアブックス
別名グルート・ブリッジ。
グルートは殿筋という意味です。お尻の筋肉のことを指します。
文字通り、お尻をターゲットとしたトレーニングです。
加齢で一番落ちやすいと言われる大臀筋を集中的に鍛えます。
ポイントは……
- 仰向けで、膝を直角に曲げて、手のひらを床に付ける。
- 踵で床を押す。
- 股関節だけで身体を持ち上げ、腰は反らないであくまで真っ直ぐをキープ。
- 一番上まで上げたら、お尻に力をいれて少し止まる。
回数などはボックススクワットと同じです。
ダブルレッグ・ロワリング・ウィズ・ベントニー
画像引用:自重筋力トレーニングアナトミィ ガイアブックス
膝を曲げた両脚を下げる運動です。
体幹のスタビリティ(安定)を鍛えるのに有効なエクササイズです。
ポイントは……
- 仰向けになり、手のひらを地面に付け、首から腰まで真っ直ぐに保つ。
- 両脚の股関節と膝関節を90度に曲げる(脚を浮かせる。)
- 膝を曲げたまま、股関節だけを伸ばし腰を反らないようにゆっくり両足を地面に下ろす。
- スタートポジションに戻る
なにも意識しないで、ただ脚を下ろしてしまうと腰が反り骨盤が前に倒れてしまいます。
お尻とお腹に力を入れることで、それに抵抗でき、体幹の大部分の筋肉に刺激を加えることができます。
さいごに
自分でも出来るトレーニングを紹介しましたが、確実に筋力を維持・向上するためには、安全で効率の良いメニューやフォームを前提としたウエイトトレーニングを行う方が良いです。
是非S&Cベースのウエイトトレーニングを指導してもらえるパーソナルトレーナーに今の身体を預けてみて下さい。
きっと充実した毎日を送れるようになるはずです。
長生きしても身体が不自由では充実した生活を送ることは困難です。
健康寿命が少しでも延びるよう、ロコモ予防のために筋肉を鍛え続けましょう!
MRGでも「ロコモ予防」のご相談大歓迎です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。