「ウエイトトレーニングは身体に悪い!!」
この言葉良く聞きます。
もちろん私自身ウエイトトレーニング推奨派なので、正直自分からこのようなイメージに関する諸々は聴きたくもないし聴く気もないです。
ですが、ほんと良く聞こえてきてしまいます(笑)。(最近はもう諦めてます笑)
当方に指導依頼をして下さるお客様でさえ、最初はこんなイメージでトレーニングをスタートされる方もチラホラ……。
確かに間違った動作やプログラムデザインをしてしまえば、健康のために行っていたとしても身体にとっては一瞬で害になるでしょう。おそらく世の中にはマスメディアの影響も手伝って、この部分だけがクローズアップされている気がします。(最近の政治なんかも印象操作がエライことになってますが……それと同じ感じ??)
ということで今回はウエイトトレーニングを健康的に行うための大切なポイント「動作」や「プログラムデザイン」、その中でも「動作(フォーム)」にクローズアップして、あーだこーだと記してみます。
目次
ウエイトトレーニングはフォームと負荷どちらが大切??
ジムに必ず一人や二人無茶苦茶なフォームで物凄い重量を挙げている方がいらっしゃいます。
元々の体の構造が強い人(丈夫な人)もいますので、そんな方は身体を痛めることなくトレーニングを続けることができるでしょう。
しかし人の構造上、各関節にはどうしても耐えられない動きがあります。身体の強さが並みの人は、そのような負荷ばかりを追いかけてフォームを訓練せずにトレーニングを続けていくと必ず身体のどこかが壊れます。
これは日常生活にもいえます。間違った身体の使い方を繰り返せば、例えウエイト(負荷)が無くても、いずれ身体は悲鳴を上げるのです。
以上のことから、負荷よりもまず……
正しい動作
正しいフォーム
の習得が大切になります。
筋力を高めるためのトレーニングは高負荷を扱うわけですから、その前にごくごく軽い負荷(それこそ体重のみ)でフォームの訓練が必要です。身体を実際に動かして、機能していない関節運動の神経信号伝達を訓練していくのです。
よくトレーニングでは「この筋肉を意識して」といいますが、動かない関節に関わる筋を意識することは難しいです。ですので、まずは筋の意識より前に、身体全体を使ってスクワットなどの各種目のフォームを徹底するのです。
軽い負荷であればある程度正しいフォームでエクササイズを行える身体レベルの方は、それを安定させるまで矯正トレーニングとして続けます。そして何も考えずともそのフォームで動けるようになって初めてウエイトを使っていきます。
ウエイトを使って初めて、どの部位に力を入れると正しい動作ができるかがより鮮明に感じられるようになります。長年の指導経験からこの段階でやっと筋への意識が生まれてくるのではないかと感じています。
ちなみにスクワットなどの正しい動作を模倣することすら困難なくらい機能低下をしている方は、機能していない関節のみを動かすようなトレーニング(単関節トレーニング)で個別に筋肉を鍛えます。
時間は掛かりますが、各筋肉に力を入れるトレーニングをすることで、スクワットなどの多関節動作に移った時に、正しいフォームを模倣しやすくなります。
関節に有害な負荷とは?
前述したようにウエイトトレーニングは、フォームを無視してただ筋肉に刺激を入れれば良いというわけではありません(そもそもフォームを無視すると、筋肉に刺激は入りづらいですが……)。
関節にとって無駄に有害な負荷を掛けないフォームを徹底しましょう。
では、ここでいう有害な負荷とはなんでしょうか?
それは……
剪断力(せんだんりょく)
です。
関節に剪断負荷をかけないフォームで行うことが大切です。
剪断負荷とは、地震の際の断層面のズレや地滑りなどのように、関節内にすべりやズレの力がかかることをいいます。つまり、剪断負荷がかかるフォームとは怪我に繋がる危険なフォームということです。
とくに腰椎や膝はこの負荷にはとても弱い関節です。
ウエイトトレーニングを行った後に、腰椎や膝に痛みがあれば、間違いなくフォームになんらかのエラーが発生しています。筋肉痛も一箇所だけに偏って強烈に感じることもあります。
ちなみに、スクワットでいうと、過度に腰を反りすぎたり、しゃがむときに膝を前後に動かしながらトレーニングすると、簡単に剪断負荷を実感できます(冗談なので実際にやらないでください)。
さいごに
挙上重量があがると楽しいので、フォームを重視せず、重さだけにこだわってしまいがちです。健康のためにトレーニングをしているはずなのに、残念な事に間違ったフォームでのトレーニングは、逆に自分を不健康にしてしまいます。
正しいフォームで行うことで、関節に負荷を掛けることなく弱い筋肉を強化することができ、筋力バランスが整います。本来動かしたい不健康な関節の可動域を目一杯使うことで、本当の意味での柔軟性を向上させることもできます。
安全にトレーニングをする為には正しいフォームの徹底を。
そしてフォームを習得したら、コントロールできるギリギリの重さでトレーニングにチャレンジし、筋力を高めていきましょう。