筋トレを行う女性にとって、月経期の辛さは、トレーニングをお休みしたくなるくらいにイヤ~なものですね。
今回は生理中=月経期の筋トレ全般についてお伝えしたいと思います。
目次
生理中の筋トレは効果が出やすい!?
生理中は身体が重くダルくなったり、腹痛や腰痛が出ることがあるので、トレーニングはやらない方がいいと思われがちです。気分的にも乗りませんよね。
しかし、本当は……
といわれています。
月経周期の0週目に生理が始まります。
ここから約7日間生理が続くわけですが、この時期は卵胞期(らんぽうき)といって排卵までにエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が右肩上がりに増加します(月経周期1週目まで)。
そして2週目(15日目)くらいに入った時に排卵を迎え、黄体期(おうたいき)に入ります。
この時期からはエストロゲン(卵胞ホルモン)よりもプロゲステロン(黄体ホルモン)という別の女性ホルモンの分泌が増加します。
この黄体期は次の生理を迎えるまで続きますが、28日目(月経周期3週目の最期の日)まで続くといわれています。ここで妊娠が確定していなければ、次の生理を迎えるわけですが、
生理を迎えると……
エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が急降下します。
女性の象徴でもある、この2大女性ホルモンが一番低い時期になり、このときの身体がもっとも男性寄りになります。
生理の初期は、いつもよりも重いウエイトが持てるため、筋力を発揮しやすい状況になり、追い込むことが可能になります。
筋肉がつきやすい生理中は、トレーニング効果を出すチャンス期間なんです!
生理中の筋トレをおすすめするもう一つの理由
生理中は、経血を流すために、子宮に血流が集中しやすく、全身の血液やリンパ液の流れが悪くなります。
これにより、浮腫が起きたり冷えやすくなるといわれています。
血流が悪いことから、筋肉も張ってしまったり、凝りを作ってしまったりと、あちこちが痛くなりやすい時期でもあります。
運動やウエイトトレーニングは筋肉を伸縮させるので、血流が促進しやすく、上記のような症状が緩和したり、生理痛の原因になる物質も流れやすくなり、痛みが軽くなります。
なによりも、これら不快な症状が和らぐことで、少し元気になれるかなと思います。
ウエイトトレーニングの中でも【スクワット】が特にオススメです。
スクワットは一度に全身の筋肉に刺激を送るのに最適なエクササイズなため、リンパ液や血液の流れを活性化してくれます。
身体の中心軸を整えるにもうってつけのエクササイズです。
特に生理中は身体が重く硬くなっていることが多いので、軸が歪んでいることもしばしば。
そんなときにしゃがんでみると、真っ直ぐ上手にしゃがめなかったりします。
この状態で、重い重量でスクワットすることはコントロールが上手くいかず、歪みを助長することになるので、軽い重量や自分の体重だけを負荷にしたスクワットで丁寧に動くことをお勧めします。
上手くコントロールされたスクワットを行うと、全身の筋肉がバランスよく刺激され、身体が整う感覚を覚えます。
滞りが解消する感覚です。
そうすると、自然と身体は楽になってきます。
このような理由から、スクワットは生理中だけでなく、平常時の健康管理にも是非とも実践していただきたいです。
重いバーベルを背負った高重量スクワット(バックスクワットやフロントスクワット等)は、軽い重量または自体重を負荷に利用したスクワットと異なり、身体に様々な条件が必要になってくるので、挑戦する場合は別の準備が必要です。混同しないように注意しましょう!
生理中の筋トレの注意点
生理中の運動やトレーニングは決してNGではないということがお分かり頂けたかと思います。
むしろ効果が出やすく、運動やトレーニングが可能ということがわかりました。
しかしながら、
が大切です。
間違いなく体調の変化があるわけですから、そこを無理してトレーニングを実践するのは精神的にも良くありません。
ということで以下の症状がある時は無理をしないようにしましょう。
- 生理痛が酷い
- 貧血の症状がある
- あきらかに体調が優れない
- 出血量が多い
ウエイトトレーニングは腹筋に力を入れる種目も多く、下半身を鍛える様な種目(例えばスクワットやデッドリフトなど)は特に動員される筋肉も増えるため、酸素を供給するのに、鉄をたくさん使います。
お腹の張りが強かったり、貧血症状が強いとそれらの症状を増悪させてしまいかねません。
いつもと同じボリュームで追い込むと、逆効果になってしまうこともあるわけです。
さいごに
今回の記事をまとめてみると……
- 生理中は各種女性ホルモンが減少し、身体が男性に近くなるので、ウエイトトレーニングは向いている。
- 生理中の血流停滞傾向の状況をウエイトトレーニングで改善できる。これにより生理中の様々な不快な症状を和らげることが可能である。
- 生理中は体調不良が起きやすいので、自分自身の身体の声を聴き、トレーニングをするかどうかを決める。
これらをふまえた上で、生理中にウエイトトレーニングを行う場合は……
- いつもよりセット数と種目を大幅に減らす
- 多関節運動(スクワットなど)で短時間集中でトレーニング
これが一番安全にトレーニングできます。
疲労の高い時のメニューの組み方にも似ていますね。
パーソナルトレーナーの方は、女性クライアントの身体を守る為にも大切な考え方です。
ということで、何もしないよりは筋に刺激が入り、筋量筋力ともに維持ができ、なおかつ不快な症状が和らぎ、メンタル的にもスッキリするので、ウエイトトレーニングをしている女性の方や女性を指導しているパーソナルトレーナーの方はこの記事を参考にしてみて下さい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。