【膠原病(こうげんびょう)】って、良く耳にすると言葉だと思います。
しかし、どんな病気なのかということについてはあまり知られていません。漢字で”高原病”だと思って高山病と勘違いしていたりとか……笑
この記事では膠原病について大まかにご紹介し、ウエイトトレーニング時の注意点と共に解説していきます。
目次
膠原病とは?
全身の膠原線維(コラーゲン繊維)にフィブリノイド変性という共通の病変がみられる疾患群の総称です。
膠原線維というのは靭帯、軟骨、結合組織の主成分です。わずかに伸び縮みしますが、引っ張りに強く細胞同士をしっかりと繋ぎとめておく役割があります。
フィブリノイド変性はこれら膠原線維の弾力を無くし、ガラスのような材質に変えてしまうことをいいます。
膠原病の種類と特徴は?
代表的な疾患は……
- 関節リウマチ(RA)
- 全身性エリテマトーデス(SLE)
- 全身性硬化症(強皮症)
- 多発性筋炎・皮膚筋炎
- リウマチ熱
- 結節性多発性動脈炎
- ベーチェット病
- シェーグレン症候群
- ウェゲナー肉芽腫
など。
たくさんの数が存在しますね。
そして共通する臨床的特徴は……
- 全身性疾患(発熱、体重減少、倦怠感など)
- 炎症性疾患(発熱、腫れ、痛み)
- 多臓器疾患(複数の臓器に病変→特に腎障害が多い)
- 慢性永続疾患(再燃と寛解をくり返す)
- 自己免疫疾患(自己抗体による自己組織への攻撃、免疫寛容の低下)
といわれています。
膠原病の特徴をもっと簡単に説明すると、身体には異物を攻撃する免疫機能が備わっていますが、この免疫機能が異常をきたして、自分の身体そのものを異物と判断し攻撃してしまう状態のことを指します。
上記の症状がその代表例ということになります。
治療に関してはステロイドを使って、自己免疫を抑制する方法を選択することが多いです。
膠原病の原因は?
いまいち不明な点が多く、正確には分かっていませんが、以下の点が誘因となります。
- 両親から授かった体質
- 紫外線、感染症、薬物などの環境要因
- 精神的、物理的ストレス
多岐に渡る原因があることがわかります。
ウエイトトレーニングは物理的ストレス?
原因の1つにストレスが関係していますので、もしウエイトトレーニングをするなら強度コントロールが大切です。
なぜなら、ウエイトの負荷は立派な物理的ストレスだからです。
トレーニングする日のメンタルストレスも加味して、総合的なストレス評価をしてからメニューを組むと安全です。
やたらめったらな高強度で追い込みをかけるようなトレーニングは、膠原病の体質を持っている人にとって、その症状を悪化させることがあるので、トレーニングは自己流よりも専門のパーソナルトレーナーに指導してもらうのが無難です。
膠原病患者は副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)を使って治療していますので、常に身体へコルチゾールを供給しています。これも高強度トレーニングはあまりオススメできない理由です。
関節リウマチ(RA)について
膠原病の人のウエイトトレーニングは強度コントロールが大切と言いましたが、関節リウマチの方はウエイトトレーニングはあまり行わない方が良いかもしれません。
関節リウマチは運動器の疾患ですので、リハビリテーションが確立されており、セオリーがしっかりできています。民間のパーソナルトレーナーではなく、リハビリ専門の病院にて理学療法士さんに指導を仰ぐといいでしょう。
関節リウマチ(RA)患者の筋力維持の方法は負荷を掛けた関節を動かないで力発揮をする等尺性収縮(アイソメトリクス)を使ったトレーニングです。一般的なウエイトトレーニングとは運動様式が違います。
また関節可動域を維持することも大切なので、この場合は負荷を掛けずに関節を目一杯動かします。
プロテインサプリメントを摂取する際の注意点
膠原病の全てではありませんが、腎臓を悪くしてしまうことが多く、タンパク質の大量摂取は危険です。しかし全く摂取しないと低タンパク血症になってしまうので、医師に必ず摂取量を指示してもらいましょう。
パーソナルトレーナーの方は、独断でプロテインを摂取させるのは大変危険です。新規のクライアントのメディカルチェック時、既往歴の欄に膠原病がないかをチェックしてください。
さいごに
- ウエイトトレーニングを行う場合は繊細な強度コントロールをして、ストレスを掛け過ぎないこと。ストレス解消程度の運動強度がオススメ。
- 栄養に関しては、膠原病の種類や臓器の状態によって、摂取の仕方が異なるので、医師の指示を仰ぐ。
- 関節リウマチ(RA)は正しいリハビリテーションを理学療法士に指導してもらう。
ストレングス&コンディショニングを専門とするパーソナルトレーナーは強度コントロールを意識したメニューは容易に作成できますので、膠原病患者の方で安全快適にウエイトトレーニングをしたいという方は最寄りのパーソナルトレーナーやストレングス&コンディショニングコーチにご相談下さい。
当方でもご相談大歓迎です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。