昨今の健康ブームのおかげか、パーソナルトレーナーという仕事が以前にも増して認知されるようになってきました。
学生さんの中にも「将来、パーソナルトレーナーになりたい」と考えている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんな方たち向けに「パーソナルトレーナーになるには資格は必要か?」という内容で記したいと思います。
目次
パーソナルトレーナーとしての活動に必要なもの
ということで、パーソナルトレーナーに現状は、法的な縛りや国家資格は存在しません。
ですが……
様々な民間団体がパーソナルトレーナーの民間資格を発行しています。
身体の基礎的な知識やトレーニング指導法、禁忌事項などを体系的に学べたり、資格によって損害保険に加入できたりと、メリットが多いです。
スポーツクラブなどの求人要件においても資格があると望ましい場合もあります。
なんにせよ、パーソナルトレーナーは人の体に関わる仕事をするという自覚がとても大事なので、法的には何も資格が必要がないとはいえ、そのままでは仕事を依頼して下さるクライアントに失礼ですし、身体の基礎知識が頭に入っていない状態では危険も伴います。
ですので、それなりに信頼性と権威のある資格を取得する事をお勧めします。
クライアントにとっては何の資格かよくわからないとしてもです。
パーソナルトレーナーは……
公的に身分が保証されていない社会的には地位の低い状態
です。
キツイ言い方をしてしまえば……
どこの馬の骨ともわからない人間
ということです。
だからこそ、他の職種以上にそういったモラルを意識しましょう。
パーソナルトレーナーの民間資格
現在、パーソナルトレーナーの資格で一番メジャーなのは、NSCA-CPTです。
ストレングス&コンディショニングという概念を指導のベースに置いた資格です。
NSCA認定パーソナルトレーナーという名称です。
試験対策にエッセンシャルと呼ばれる辞典のような教本を使って勉強します。
他にもたくさんのトレーナー関連の資格がありますが、パーソナルトレーナーという名称を使って活動するならこの資格を取得しておいて損はないでしょう。
いきなりパーソナルトレーナーとして活動はできるのか?
普段から自分でしっかりとトレーニングしていることは必須です。
自分でトレーニングの感覚がわからないとまずクライアントには伝えられないです。
パン屋さんやるのにパンが作れないのと同じです。
最近ではインターネットで容易に有益な情報も手に入りますから、普段から身体のことについて熱心に勉強し、知識をインプットしていれば、その知識量とトレーニング実践力を駆使していきなりでもそれなりの活動はできるかもしれません。
とはいっても、現場は教科書やインターネットの情報通りにならないことも多いので、どんな分野でもそうですが、実戦経験上でのトライ&エラーが自分を成長させてくれます。
そのような場数を踏むことでインプットした知識が研ぎ澄まされて、上手にアウトプットできるようになると指導力が上がってきていることを実感できます。
日々の勉強をしっかり行う&自身でしっかりトレーニングも行うのは当たり前の最低条件として、上記のように「習うより慣れろ」的な行動もこの仕事の場合かなり大切です。
そういった意味でもスポーツクラブや公共のトレーニングルームなどで、パーソナルトレーナーとして独立をする前に、ジムスタッフのアルバイトで指導経験をたくさん積むのもひとつの手です。
こういった場所での仕事は、指導をする機会が嫌でも増えます。
私も某大手スポーツクラブで長年指導経験を積みましたよ。
パーソナルトレーナーとして活動していく中で……
指導を始めていくと自分の指導スタイルが見えてきますし、「これができたらなあ~」とか欲が出てきます。
クライアントも毎回調子が良いわけでもなく、体調や疲労度合いなどもその時その時で違いますし、いろいろな疾患を罹患されたりします。
ですので、あくまでも私の場合ですが、トレーニング系であるストレングス&コンディショニングの資格だけでは、その対応に関して厳しいと感じていました。(世の中にはひとつの資格でも凄腕のパーソナルトレーナーさんはたくさんいますので誤解無きようお願いいたします。)
例えば、筋肉に強い張りがあればストレッチングだけではほぐれないこともあります。
また病気のことがわからなければ、間違った指導をしてしまう事もあります。
そういった現場での苦しい経験が、また違う資格の専門分野を勉強したいとか、法的に問題なくクライアントの身体に触れて治療したいなどの強い想いが出てきます(これも、あくまでも私の経験上のお話です。他のパーソナルトレーナーさんはまた違うと思われます。)。
自分に不足しているものは?必要なものは?と自問自答の日々が始まるんです。
「リハビリの専門知識なのか、マッサージなのか、はたまた鍼灸?急性の怪我に関すること?」みたいな。
そんな感じで医療系国家資格やアスレティックトレーナー資格等が視野に入ってきます。
特に医療系の国家資格は、医師免許に比べれば全然甘いですが、解剖、生理、病理、衛生、臨床医学など身体に関する基礎をパーソナルトレーナーの資格とは比較にならないくらいに勉強しますので、トレーニング指導においてもかなり役に立ちます。
国家資格なので身分保障もされますから、クライアントに対しての信用も上がるでしょう。
ただ取得すればバラ色の事業展開ができるかというと、それは関係ないです。
資格のあるなしに関係なく、日々勉強しないとあっという間に淘汰される厳しい業界でもあります。

さいごに
これからパーソナルトレーナーを目指される方に向けて、記してみました。
資格の取得は莫大なお金と時間を使います。
特に医療系の免許は500万円前後と3年の期間がかかります。
しかも取得したからといって食べていけるかもわかりません。常に不安が付きまといます。(私もクライアントのおかげで生活させて頂いています。ホントに感謝してもしきれないです。)
このように厳しい世界ですが、クライアントにダイレクトに感謝され、あきらかに元気になっていかれる姿を見させていただくと、ものすごく他人へ価値を提供できているダイレクトな実感があります。
やりがいと楽しみはそこです。
なんとなくかっこいいからみたいなフリーランスの仕事への憧れとかではなく、「社会や人々にどう貢献したいか」と本気で悩める人でないと活躍できないわかりやすい世界でもあります。
私が知りうる限りですが、一線級で活躍されているパーソナルトレーナーさんたちはみんなそんな方たちばかりです。
私自身もパーソナルトレーナーとして15年以上仕事してきて、未だに結果が上手く出せずホントに苦しい時もありますが、やはり最後はこの仕事がほんとに好きで、人の役に立ちたいと本気で思えるので、苦しくてもなんとか乗り越えられています。
この仕事を目指す前に今一度考えてみてください。
そして……
本当にこの仕事が好きか?この仕事で人の役に立ちたいか?
自分に問いかけてみてください。
パーソナルトレーナーを将来の仕事候補にされている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。