空前の筋トレブームが到来し、老若男女問わず市民権を得てきたウエイトトレーニング。
それに伴い、それらを指導するパーソナルトレーナーを志す方も増えてきました。
この記事では、これからパーソナルトレーナーを目指す方や、既に活動を始めているけれどキャリアの浅い方向けに、持っておいて損はない書籍をいくつかご紹介します。
目次
解剖学の書籍
辞書的に持っておきたいのが……
【プロメテウス解剖学シリーズ】です。
とにかくまず絵が美しいです。例えばこんな感じ。
出典:プロメテウス解剖学 解剖学総論/運動器系 第2版 坂井建雄 医学書院
とにかく美麗で詳細な画です。
また単なる解剖書にとどまらずに、いろいろな身体のプチ情報が解説とともに掲載されています。
パーソナルトレーナーは、身体のこと、特に運動器に関しては医師や理学療法士なみに勉強すべきですので、この解剖書は一家に一冊じゃないですけど、絶対に所持をお勧めします。
たくさんのシリーズが発刊されていますが、まずは運動器系のものを購入しましょう。
次に、押さえておきたいのが……
【ぜんぶわかる人体解剖図】です。
こちらは運動器だけでなく、内臓までわかりやすくまとめてあります。
パーソナルトレーナーは運動指導者なので、内臓はあまり関係ないように感じますが、指導対象者には膠原病、生活習慣病など内臓の状態が影響するさまざまな疾患を罹患されていたりします。
またパートナーストレッチを施術するときになど内臓の位置や機能を把握していないと、無茶な姿勢を取らせて臓器を傷めてしまうこともあります。
運動指導と双璧をなす栄養指導においても消化器の知識は必須です。
内容はとても見やすく要点を簡潔にまとめてくれていて、とてもおすすめです。
解剖書や専門書は高価なのが普通ですがお値段がリーズナブルなのも最高です。
生理学の書籍
パーソナルトレーナーは、生理学の知識も必須です。
生理学は人の身体の営みをまとめた学問です。
とりわけ運動にかかわるところである【運動生理学】は必須中の必須です。
個々人のトレーニング目標に合わせたメニュー作成の際や、各種疾患の禁忌などを理解するのに運動生理学が頭に入っていないと、クライアントを健康どころか不健康へと導いてしまいます。
ということで、運動生理学といえばこの書籍、【運動生理学20講】です。
古い本ですが、永遠の定番だと思います。未だに私もパラパラめくりますよ。
現在は第3版になっていて、しっかり最新情報に更新されています。
次に運動に関わること以外の生理学全般を覚えるのに、おすすめの書籍です。
【図解入門よくわかる生理学の基本としくみ】です。
難解な生理学は勉強中も眠くなってしまいますが、わかりやすく面白くまとめてくれているので集中して覚えることができます。
パーソナルトレーナーは運動だけでなく、クライアントの体調管理なども大切なお仕事です。
生理学をしっかり理解していないと、指導現場での様々な状況に対応できず、多岐にわたる指導にあたることができませんよ。
トレーニングの書籍
パーソナルトレーナーのお仕事のメインは運動指導です。
各種トレーニング種目を系統別、目的別に押さえておくのに必携の書です。
【ウイダーストレングス&コンディショニングエクササイズバイブル】です。
これ1冊あれば、基本的なメニュー作成に困ることはありません。
ウエイトトレーニング、チューブトレーニング、プライオメトリクス、ウエイトリフティング、動的ストレッチング、静的ストレッチングなど全てが網羅されています。
次におすすめなのが、【自重筋力トレーニングアナトミィ】です。
クライアントによっては様々な理由によりウエイトを使えないことがあります。
またセッション以外で自宅や出先で自主トレーニングをしてもらう際は器具がないことがほとんどです。
そんなときに自分の身体ひとつでトレーニングできる方法が網羅されているので、指導の幅が広がり、顧客満足度も上がっちゃいます。
こちらもコスパが良く、「この値段なのにここまで充実しているか!」という内容です。
おススメです!!
最後にウエイトトレーニングを極めるなら必携の書です。
【スターティングストレングス】です。
スクワットやプレス、デッドリフトなどの基礎種目のバイオメカニクスの解説が豊富で、安全で効果の高い健康的なフォームを勉強できます。
クライアントに筋力を付けさせるためには、ウエイトトレーニングの指導は避けて通れません。
ただウエイトトレーニングは高負荷なために運用方法を間違えると、一気にリスクに変わります。
クライアントをリスクにさらすことなく、大きなリターンだけを与えてあげるのに必要な情報が、この書籍には全て書いてあります。
特にストレングス系のパーソナルトレーナーはバイブルとして所持しましょう。
ストレッチの書籍
パーソナルトレーナーはトレーニング指導以外にパートナーストレッチという大切な業務があります。
ストレッチングはクライアントのケガ予防や不調緩和にとって大切なパートです。
そんなストレッチングを学ぶのに最適な書籍は【IDストレッチング】です。
写真が大きく見やすく、実践的内容で、ほぼすべての筋のストレッチの掛け方が網羅されています。
またストレッチングの効果を生理学的に説明してくれていたり、筋肉の紹介でもそれぞれに起始停止などが載っていて、解剖学や生理学の勉強になります。
次に携帯に便利なサイズのストレッチ本です。
【ストレッチングアスリートケアマニュアル】です。
単行本サイズで出張トレーニング指導などの移動中に確認しやすく、値段の割に内容はかなり濃く、実践でかなり使えます。
私も現在は前述のIDストレッチング以上に活用しています。
その他役に立つ書籍
辞書的に所持しておきたいのが……
ストレングストレーニング&コンディショニングです。
解剖学、生理学、栄養学、プログラムデザイン、施設管理、法律などなどパーソナルトレーナーとして必要なことが全て網羅されています。
コチラの書はそのなかでもアスリート指導向けになっています。
一般人や個人向けにNSCAパーソナルトレーナーの基礎知識も所持しておきたいです。
内容は重複する部分もありますが、細かいところで異なる内容なので、自身の指導対象者に合わせて選択しましょう。
個人的には両方の所持をおすすめします。
上記紹介した2冊は、NSCAというストレングストレーニング(筋力トレーニング)とコンディショニングと呼ばれる筋力以外の体力要素(柔軟性や敏捷性など)を高める行為に関する国際的な教育団体が、これらに関する研究から得られた情報や論文をまとめたものなので、ヒトの体力向上に関する最先端の情報が網羅されています。
またNSCAが発行している認定資格であるCSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)やNSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)の資格試験の教本でもあります。
パーソナルトレーナーとして活躍していこうと思うのであれば、民間資格の中でも信頼性と権威のあるNSCAの認定資格を取得することをおススメします。
さいごに
これからの職業【パーソナルトレーナー】の必携の書籍紹介でした。
他人の身体を扱う職業であることにおいて、その責任は医師と変わりありません。
国家資格で整備されていない以上、教育体系もできていません。
ということは自分の強い意志で、モラルを考えて猛勉強しなければならない職業なんです。
しかし、これから目指す人やまだ駆け出しだとそもそも何を勉強していいかわからないこともあります。
そんな方々へ少しでもこの記事でお役に立てたならうれしいです。
共により良い指導を目指し、身近な人々を健康にするために頑張りましょう!!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。