スポーツやトレーニングに特化したサプリメント(栄養補助食品)はたくさんの種類があります。
サプリメントで身近なところといえば、「プロテインパウダー」なんかがそうです。
世界中で今や、アスリートやトレーニーにとって当前のものになってますよね。
この記事では、その「プロテイン」について、できるだけわかりやすく書いてみました。
目次
プロテインはタンパク質??

タンパク質は運動・トレーニングには欠かせない栄養素です。
英語でProtein=プロテインといいます。
タンパク質がプロテインという名称に変わった途端……
「筋肉増強剤?危ない薬?」
「ムキムキな人たちが好んで飲むあれ」
みたいなネガティブなイメージを連想する人が多いんです。
何度も言いますが、日本語にするとただのタンパク質なんです。
一般の方も、お肉やお魚、乳製品、大豆製品などを食事で摂りますから、タンパク質=プロテインを食事から補給しています。
なんにも怪しいものじゃありません。
と、ここでやっぱり……
「とりあえず、食事から摂取できているなら、わざわざサプリで摂取するのはやっぱムキムキマンですか?」
となってしまうところなんですが……
実は忙しい現代人は、食事だけで1日のタンパク質摂取量を満たせていない人が多いんです(3食食べない人が多いため)。
ましてや運動愛好家やアスリート、トレーニングを行う人は、さらに必要量が増すので全然足りていません。

そこで使われるのが危ない薬でも何でもないプロテインサプリメントです。
粉末タイプで水などに溶かして飲むタイプがポピュラーです。
余分な糖分や脂肪分を摂取せずに、効果的にタンパク質のみを補給ができます。
ということで、早速その種類について説明しましょう。
ホエイ
最もポピュラーなプロテインです。
ホエイは日本語で乳清(にゅうせい)といいます。
ヨーグルトの上に浮いてる水分なんかがホエイ=乳清です。
脂肪分など全て取り除かれた状態で、タンパク質とビタミン・ミネラルが凝縮しています。
いいかえると、グラム当たりのタンパク質含有量が多いということです。

余計な成分が入っていない為、吸収が早いといわれています。
運動・トレーニング前後など身体がタンパク質を求めているときに飲むのが最適なプロテインです。
必須アミノ酸を全て含み、素早く血中のアミノ酸濃度を上げることができ、筋分解を防ぎます。
特に、運動中にエネルギーとしても使われるBCAA(分岐鎖アミノ酸)を豊富に含んでいます。

MRGでもパーソナルトレーニング後にホエイプロテインのドリンクをサービスで提供しています。
製法は様々で、「WPC」、「WPI」、「CFM」、「WPH」などがあります。
WPC製法
乳清をさらにろ過して、余計なものを取り除き、それを濃縮します。
ろ過してもビタミン・ミネラルが残るので栄養価が高いです。
しかし同時に乳糖も残ってしまうため、乳糖不耐症の方は、お腹が張ったり、ごろごろ感が残ります。
値段は一番お手頃です。
WPI製法
WPC製法で分離したタンパク質をイオン交換して作ります。
これによりタンパク質以外の成分はほとんど除去されます。
高濃度のホエイといったところでしょうか。
乳糖もほとんど消えるため、乳糖不耐症の方におすすめのプロテインです。
精製に手間がかかるため、値段が高いのと、ビタミン・ミネラルも除去されてしまうのがデメリットです。
CFM製法
WPC製法より純度が高く、WPI製法より荒いといった感じでしょうか。
前述の2つのホエイのちょうど中間的なプロテインです。
WPI製法のプロテインに比べて、ビタミン・ミネラルが残り、WPC製法のプロテインに比べて、乳糖を除去できます。
WPH製法
加水分解ペプチドと呼ばれます。
ペプチドといって、タンパク質の状態より細かい分子になっているので、吸収スピードはナンバーワンです。
WPI製法より純度も高いので、かなり高級なプロテインです。
カゼイン
ホエイと同じく牛乳を原料とするプロテインです。
牛乳を温めると膜になる部分がカゼインです。
牛乳の80%を占めます。

ホエイと比べて、吸収が遅いのが特徴です。
吸収が遅いメリットは長時間少しづつ栄養補給を続けてくれることです。
食事と食事の間の時間が長い方、睡眠時間が長い方などに向いているプロテインです。
トレーニングや運動をしない日にも使いたいプロテインですね。
腹持ちがいいので満腹感も得やすく減量にも使えます。
デメリットは運動前や後などのタンパク質補給には向いていません。
運動前の摂取に向いていない理由は、消化が遅いため胃に残りやすく、その状態で運動してしまうと、消化不良を起こしまうからです。
また運動後は、すみやかな栄養補給が重要なので、カゼインプロテインでは時間が掛かりすぎてしまいます。
ちなみに吸収時間は、ホエイは1時間、カゼインは6時間くらいです。
かなり違いますね。
カゼインの大きな特徴としては、グルタミン(アミノ酸)を豊富に含みますので、免疫力がアップします。
好中球やマクロファージ、リンパ球などの免疫細胞のエネルギー源がグルタミンです。

トレーニングする方は、負荷(ストレス)を掛けるわけですから、免疫力が下がりやすくなります(汎適応症候群)。
日々のグルタミン補給は理にかなっています。
汎適応症候群
下垂体ー副腎皮質系と呼ばれます。ストレッサ―を受け続けると、以下の反応が起きます。
①副腎皮質の肥大
コルチゾール分泌亢進
②胸腺・脾臓の萎縮
免疫力低下
③胃・十二指腸潰瘍
胃液の分泌亢進
①は内分泌系、②は免疫系、③は自律神経系です。これらのバランスで身体の恒常性を保ちますが、ストレッサ―がこのバランスを崩します。
ソイ
ホエイ、カゼインとうってかわって、植物性由来のプロテインです。
その原料は大豆です。
大豆タンパクは、カゼインと同じで吸収に時間がかかります。
特徴・使用パターンなどはカゼインとほぼ同じです。

大豆からできていますので、イソフラボンが豊富で、老化防止やホルモンバランス調整に役立ちます。
コレステロール値もさがるといわれています。
生活習慣病を患っている方や、高齢でホルモンバランスが崩れてきている方などに向いているプロテインです。
乳製品が身体に合わない方にも手軽にタンパク質補給に使えます。
少し溶けづらいので、だまになりやすく、粉っぽくなってしまうのが欠点です。
味も微妙なものが多いです。
しかし上記のとおり、タンパク質補給以外にも、健康に良いとされる効果がたくさんあります。
一昔前はソイプロテインがメジャーでしたが、最近では完全にホエイプロテインに押され気味??
最近ではマイナーなプロテインではありますが、しっかり各メーカーで取り扱いがあるので、大豆の成分が自分の身体に合っている方は是非取り入れてみて下さい。
プロテインについてのまとめ
日本でメジャーなプロテインを3種類を紹介しました。
これにくわえて卵由来の「エッグプロテイン」などもあります。
しかし、日本ではあまり販売・流通はされていません。
ということで、まずはこの3種類の特徴をしっかり押さえて使用してみることをお勧めします。
ホエイとカゼイン、炭水化物とプロテインを混ぜた「複合プロテイン」も販売されていますが、あえて各プロテインを分けて購入することをお勧めします。
用途別に使ったりできますし、両方の特徴を活かしたいときには、自分で混ぜれば済む話なので。
さいごに
プロテインに限らず、様々な栄養素を扱った商品が販売されていますが、意外とその栄養素の役割や効果を正しく理解できている人は少ないように感じます。
なんか効きそうだから、有名選手が使用しているからとか、そんな理由だけで使用している人もよく見かけます。
「自分にとって必要なのか?」、「この栄養素の役割は?」、こういった感覚を大切にして、各栄養素をある程度理解して使用してほしいと思います。
中には、製品の効果を誇張しすぎていたり、科学的根拠がないものもあったり……
悪質なものでは、効果を高める為に禁止薬物を添加している例もあるので、読者の方の身を守る意味でも、運動・トレーニングに関係の深いサプリメントを随時記事にしていきますので、参考にしてもらえたらと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。